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最終更新日: 2024-01-25 01:34:38

【最新41話更新】「エロスの種子」の全話あらすじ(ネタバレあり)感想まとめ | めちゃコミ

「めちゃコミ」に掲載されている「エロスの種子」のあらすじ(ネタバレあり)と感想です。 最新話まで定期的に感想を投稿予定です!

マンガエロスの種子めちゃコミックネタバレ・感想
目次(クリックで開けます)

「めちゃコミ」に掲載されている「エロスの種子」のあらすじ(ネタバレあり)と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です!

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エロスの種子・第41話のあらすじ(ネタバレあり)

莉可子の最初の犠牲者は、大好きな曾祖母だった

第41話は、前話で登場した「死にたがりの男性の命を次々と奪う謎の女・莉可子」の過去に迫ります!

莉可子は6歳のとき、母親と一緒に曾祖母の見舞いのために実家を訪れます。莉可子は、曾祖母のことが大好きでした。スイカを食べさせてくれたり、花火をしたり、曾祖母との想い出はたくさんあります。

しかしそんな曾祖母は現在、寝たきりの状態。会話もできず意識もなく、曾祖母と現世を辛うじて繋いでいるのは、たった1本の点滴だけでした。莉可子は幼いながらに、大好きな曾祖母の死期を悟ります。

すると不思議なことに、もう話せないはずの曾祖母の声が莉可子の頭の中に流れてきました。それは苦しみの感情。曾祖母はもう点滴を外して、早くあの世に行きたいと願っていたのです。

大好きな曾祖母の頼みを聞くために、莉可子がとった行動は……。


エロスの種子・第41話の考察

死を望む人間の声が聞こえる

どうやら莉可子は、死を望む人間の声を感じ取ることができるようです。特殊能力のようなものでしょうか。大人になった莉可子は、自殺願望のある男性の命を奪ってまわっていましたが、最初の犯行は大好きだった自分の曾祖母だったんですね。曾祖母の命を奪った当初の莉可子は、純粋に曾祖母を苦しみから救ってやりたいと想って行動しただけで、そこには一切の悪意がありませんでした。

宇良先生と莉可子の関係は?

41話の後半では、医者の卵と思われる宇良先生という人物が登場します。これまで莉可子と寝た相手は死体になって発見されることばかりでしたが、どうやらこの宇良先生と莉可子は定期的に体の関係を持っているようです。本命の彼氏とかでしょうか?だとしたら意外です。

かつては死にたがりの1人だった

宇良と莉可子はまるで恋人同士のような雰囲気を醸し出していますが、そんな宇良先生も莉可子と初めて出会ったときは大勢の死にたがりの男の中の1人だったといいます。その後に何らかの変化があって莉可子と現在のような関係になったのでしょうが、この宇良先生についてはまだまだ情報が出ていません。次話は宇良先生にスポットがあたるストーリーになるかもしれませんね。


エロスの種子・第41話の感想

死にたがりの男性と最後の性行為をした後に命を奪うという犯罪を何件も犯している莉可子でしたが、本当に死にたがりの人間の心の声が聞こえるのには驚きました。莉可子のしていることは法的には間違いなく犯罪ですが、いいことなのか悪いことなのかと聞かれたら、答えにくいところです。

最初の犠牲者が大好きだった曾祖母という背景設定にもうるっときてしまいました。今回莉可子の幼少期のストーリーを垣間見て、莉可子というキャラクターの重量感がぐっと増した感じがします。



エロスの種子・第40話のあらすじ(ネタバレあり)

法廷画家と被告人の女

土井弘幸(どい ひろゆき)は38歳の画家です。裁判中の法廷の様子をスケッチし、マスコミに売る法廷画家という仕事を生業にしています。

スケッチができれば誰でもできる仕事。もともと画家を目指していた弘幸は、今の仕事や生活に満足していませんでした。

自分の人生に虚無感を抱きながら街を歩いていると、弘幸はある女と目が合いました。

それは1ヶ月前、容疑者として法廷でスケッチした女、笠松莉可子(かさまつ りかこ)22歳。同意殺人罪に問われた女です。彼女は自殺願望のある男性に依頼され、その男性を考察して死に至らしめたというのですが……。

莉可子は生気のない瞳をした弘幸を見ると、自分が弘幸を救ってやると言い出してきます。


エロスの種子・第40話の考察

2人はホテルへ

弘幸と莉可子はその夜、ホテルの一室へ入って行きます。もちろんやることは決まっていました。人生に飽き飽きしている弘幸の行為は、どこか一方的です。莉可子はそんな弘幸に跨り、弘幸をまるで天国にいるような気分にさせますが、その後、驚きの行動に出ます。どうやら莉可子の罪は同意殺人罪ではなく、単なる殺人だったようで……!?

男を誘って殺害することが生き甲斐の莉可子

法廷では「自殺願望のある男性に頼まれて殺害した罪」に問われていた莉可子でしたが、実際のところは「行為で油断させた男に睡眠剤を飲ませて行為後に命を奪う」という罪を何度も繰り返していたようなのです。そして今回、莉可子のターゲットになったのが弘幸というわけなのでした。

莉可子を描きたい

莉可子に命を狙われる弘幸。しかし、もともと睡眠薬を日常的に飲んでいた弘幸に、莉可子の手口は通用しませんでした。逃げるようにして部屋を出ていく莉可子。ですが弘幸はこの時点で莉可子に一目惚れに近い感情を抱いてしまったようで、莉可子を描きたい衝動に駆られてしまいます。恐らく今後も莉可子が罪を重ねていくのなら、2人は再び法廷で再会することになるでしょう。


エロスの種子・第40話の感想

殺しが趣味なのか、行為後に命を奪うのが趣味なのかはわかりませんが、莉可子が異常な性格をしているのは確かです。弘幸は間一髪のところで莉可子の餌食にならずにすんだようでした。

ただ、弘幸は確かに人生に絶望していて生気のない瞳をしていました。莉可子がそういった男ばかりを選んでいるのだとしたら、本当に「救い」のつもりでやっていたのかもしれません。

とはいえ、死を望んでいたとしても、人間というのは寸でで思い留まるのがほとんど。莉可子が救いのつもりでやっていたのだとしても、結局は莉可子の自己満足にすぎないですよね。



エロスの種子・第39話のあらすじ(ネタバレあり)

父親との関係が修復

母親の墓参りに訪れる泉。すると父親に遭遇します。冷え切った関係だったという両親ですが、家族愛だけは今でも残っていることが明らかになります。泉はこれまで抱いていた怒りが凪のように引いていくのを感じ、両親に迷惑をかけたことを改めて謝罪しました。

その後、亮香と泉はバイクでデートへ。復讐の中でいつの間にか惹かれ合っていた2人でしたが、結果的にはここで別れることになりました。泉は1人でバイクで帰りますが、その道中で交通事故に遭い……。

幸いにも怪我ですんだ泉。大事をとって入院することになりますが、そこへ、スナックのママのそらが現れます。そらは、泉の初めての女でした。そらは、泉をある病室へ連れて行きます。そこで待っていた人物とは……。


エロスの種子・第39話の考察

そらはある人のお願いで泉を監視していた?

実はスナックのママのそらは、ある人に定期的に泉の様子を報告していました。ある人というのは泉にとっても思い入れのある重要人物です。正体が気になる方は是非、漫画をチェックしてみてください。バイクで事故を起こして病院へあ運ばれるシーンや、泉が自殺を図っていたシーンを目撃していたそらは、もしかしたら度々泉の動向を探っていたのかもしれませんね。

泉と父親はメールのやりとりをするように

泉が暴力事件を起こした際に、一緒に会社を辞めることになった父・光弥は、現在、ワイナリーのコンサルをしているようで、まさに第二の人生を楽しんでいる状況でした。対して泉は、かつてお世話になった民宿の夫婦の娘と恋仲になります!さらに剛さんの元で漁師を目指す泉。まさに全てがハッピーエンドに治まっている最終回となりました。

父親になる泉

最終話では、泉が民宿の夫婦の娘を妊娠させてしまいます。授かり婚にはなりますが、祝福される妊娠になったようで何よりです。また、この民宿の娘は、かつてはヤンキーのような少女だったのですが、泉の言葉のおかげで完全に更生したようです。自分の言葉が人を動かす原動力になったことが嬉しい泉は、そこで初めてうれし涙を流していました。


エロスの種子・第39話の感想

たった5話でここまで壮大なストーリーをかき上げる「もんでんあきこ先生」はさすがです!この5話に家族愛や人情ドラマや官能がぎゅっと凝縮されていて、実に読み応えのあるストーリーでした!

また、「もんでんあきこ先生」は画力のレベルが非常に高い漫画家さんなので、作品の魅力を文字だけで伝えることはできません!この記事を読んで「もんでんあきこ先生」の作品が気になった方は、是非、漫画を購入して読んでみてくださいね!



エロスの種子・第38話のあらすじ(ネタバレあり)

ついに父親の過去が明らかに

暴力沙汰を起こしたため、泉は内定取り消しです。父親はそんな泉に、自分の書斎の鍵を渡し、書斎に置かれていたパソコンを杉村 亮香と共に確認するように言いました。パソコンを確認すると中には、父・光弥に関する驚きの情報が……。

パソコンの中にあったのは、父・光弥が同性愛者だという事実でした。さらに交際していたのが杉村 亮香の父親。2人は恋人同士だったのです。しかし、同性愛であることを周りに咎められ、杉村 亮香の父親は光弥に迷惑が掛からないように自ら命を絶ったのでした……。

さらに、冷え切った夫婦関係ながらも、光弥も仁美も、引きこもりの泉を何とかしてやりたいという想いだけは一致していたのだそうです。そこで光弥は経済面で、仁美は生活面で泉を守り、彼が自ら部屋の外に出てくるのを待つということで別居生活が始まったことが明らかに……。


エロスの種子・第38話の考察

父親の失脚を目論んでいた泉

泉はずっと、父親が自分と母親を捨てたのだと思い込んでいました。しかし実際には、父親も母親も強力しあってずっと泉のことを見守っていたのです。初めて父親からの愛を感じた泉は、思わず涙を流してしまいます。

父親が泉の不祥事を笑い飛ばした理由

内定式で社内で暴力沙汰を起こした泉。それを見た泉の父親は、なぜか腹を抱えて大笑いをしていました。普通に考えたら奇妙なシーンです。しかし今話では、この大笑いの理由が明らかになります。昔から自分の気持ちを表に出せず、引きこもりになってしまった泉。しかし今回はそんな泉が自分の感情を露わにして人を殴り飛ばしたのです。父親にとってそれは、不祥事とはいえ「息子の成長」そのものでした。光弥は、嬉しさのあまり大笑いをしてしまっていたのでした。

打ち砕かれる2人の復讐心

それぞれの父親の過去の真実を知った泉と亮香は、ショックを隠せませんでした。しかし、2人の気持ちを覆っていたのは、どこか温かい気持ちです。自分たちの復讐心のくだらなさを実感すると共に、どこか安堵する2人は、必然のごとく互いの身体を求め合います。


エロスの種子・第38話の感想

今でこそいい父親に見える光弥。しかし、幼少期の泉に対して「罵倒」をしたのは事実ですし、唯一泉と親しくしてくれていたあゆみちゃん一家を街から追い出したのも事実。昔は間違いなく良い父親ではありませんでした。今更過去の美談を聞いたとしても、泉の心の傷はそう簡単に癒えることはないでしょう。

ただ、泉や亮香たちの復讐心が和らいだのもまた事実です。復讐を人生の糧としてきたこの2人が、復讐対象を失った今、果たしてその胸中に抱いているのはどのような感情なのでしょうか。



エロスの種子・第37話のあらすじ(ネタバレあり)

泉が引きこもりから脱却

引きこもりから脱却した泉は、父の求める理想の息子になることで、いずれは父の懐に入り込み、内側から父の失脚を目論んでいました。泉はそのために勉強に励み、ついに大学を卒業して就職も決まります。どうやら泉は、過去の引きこもり時代が想像もできないくらいにモテる男性に変身したようです。

泉は、父親が常務を務める会社に入社しました。しかしそこで、中学時代の同級生に遭遇。泉はあゆみちゃんのことを貶されて激昂し、なんと相手を殴り飛ばしてしまいます!それを見た泉の父親は、なぜか痛快に声を上げて笑っており……!?


エロスの種子・第37話の考察

光弥は本当に良くない父親だったのか

泉が同級生を社内で殴り飛ばす様子を、すぐ近くで見ていた泉の父・光弥。普通なら息子の好意を叱責するところですが、光弥はタガが外れたように大笑いをします。その姿はまるで「よくやった息子!」と褒めたたえているようにも見えました。泉にとって光弥は、自分と母親を捨てた、金と権力だけを重視するろくでもない父親だったはず。しかし、笑い飛ばしている光弥の姿は、とてもそんな親とは思えませんでした。

杉村 亮香と結託する泉

前話では、泉の家庭教師である杉村 亮香という弁護士が、実は光弥に恨みを抱いていることが明らかになりました。恨みの理由は、亮香の父親の自殺です。亮香の父親はもともと光弥の部下だったのですが、光弥の不祥事の罪をすべて被って自殺に追いやられた可能性がありました。そのため亮香は光弥の悪事を全て明るみに出してやろうと、彼の弁護士として働く傍らで暗躍していたのです。


エロスの種子・第37話の感想

泉の父親のイメージがどんどん変わっていきます。仕事命の典型的な過程を顧みないタイプの父親かと思いましたが、節々に人間味の溢れる行動や発言が目立つようになっていました。

もしかしたら泉は父親に関してかなり致命的な勘違いをしているのかもしれません。とはいえ、光弥が過去に泉をひどく傷つけるような暴言を吐いたり殴ったりした過去は事実なので、光弥が昔から言い散親だったわけではないのは確かです。

さて、会社の内定式で早々に暴力事件を起こしてしまった泉。おそらく泉の内定は取り消しになってしまうことでしょう。もしかしたら絡んできた同級生の狙いは、泉をこの会社に入社させないためだったのかもしれませんね。

かつてイジメの対象だった人物と自分が同じ会社だなんて、プライドが許さなかったのかもしれません。傍から見たらくだらないプライドに見えますが……。



エロスの種子・第36話のあらすじ(ネタバレあり)

札幌へ帰るも不起訴処分

テレビのニュースが流れています。「札幌で長男が母親を死体遺棄して音信不通」。自分がこの長男であることを、お世話になった民宿の夫婦に打ち明ける泉。泉は、札幌に戻って警察に出頭することにしました。

その後、泉は長く別居状態だった父親に引き取られることに。しかし泉は、母親と自分を捨てた父のことがどうしても好きになれません。表面上では言いなりになりますが、胸の内では父への復讐心を燃やし続けます。

父親が手配した泉の家庭教師は、杉村 亮香という名前の弁護士でした。泉は亮香が「父・光弥に恨みを持つ同士」なのではないかといち早く察知し、協力を申し出るのですが……。


エロスの種子・第36話の考察

離婚ではなく別居していた両親

泉はもともと引きこもりなので、家族の情報はドア越しに聞こえてくるわずかな情報しか知り得ていませんでした。どうやら思い込んでいた状況と現実にはかなりの違いがあった模様。離婚済みだと想っていた父親と母親は、ただ別居をしていただけで、ビジネスパートナーとしては良い関係を築いていたのです。

中島 光弥について

泉の父・中島 光弥(なかじま みつや)は、もともとは市議会委員でした。現在は建設会社を成功させているようです。光弥は、泉が引きこもりになった原因を、母親の仁美にあるといつも怒鳴っていました。泉のことを実際に殴りつけたこともあります。決して良い父親とは言えない人柄ではありましたが、家族を失った泉に対して弁護士を手配したり人生を取り戻させようと学力を身につけさせようとしたり、何かと世話を焼いてくれています。

自分のために子供を育てる

そんな光弥ですが、決して不正に溢れているわけではありません。母親の葬儀が終わったその後は、泉の身の回りの世話をハウスキーパーなどに頼りっぱなしですし、そもそも家で泉とほとんど会話をしないのです。おそらく光弥は「息子を自分の道具として使える人間に育てたいだけ」だったのでしょう。


エロスの種子・第36話の感想

前話で泉を筆おろししたスナックの雇われママ・そらですが、どうやら知り合う前から泉が自殺目的で岬を訪れていることをすでに知っていた模様。情報の提供者は「あーちゃん」と呼ばれる人物なのですが、果たしてこれは誰なのでしょうか?泉の安否を気にしている人物のようです。もしかして泉が大切に想っている“あゆみちゃん”の再登場でしょうか?

身体を繋げたそらの話では、泉は最初は成すすべなくそらの下で果てたそうですが、その後は男が目覚めたかのように形勢逆転だったそうです。もしかしたら泉はプレイボーイの素質があるかもしれませんね!



エロスの種子・第35話のあらすじ(ネタバレあり)

自ら命を絶とうとする青年の初体験

防波堤の戦端で、朝日を待つ青年がいました。 彼の名前は中島 泉(なかじま いずみ)。 泉は朝日と共に、自分の死を待ち望んでいます。

泉は23歳の青年。 しかし、高校生の時から吃音に悩み、この歳までずっと引きこもりでした。

そんな泉は昨晩、家で倒れていた母親を放置して、逃げるようにして家を出てきたばかり。 泉は夜行バスで稚内の防波堤を目指し、死を覚悟して極寒の海に飛び込みます。

しかし、運がいいのか悪いのか、近くを通りかかった漁船に救われて一命を取り留めました。

泉を助けたのは、民宿の女将の夏子と、その主人で料理長の敏丈、そして漁船の持ち主の剛です。 彼らは泉の様子から、彼が人生に悩んで自殺を図っていたことをなんとなく察します。

剛は、泉を自分の漁船に乗せたり、スナックに連れて行ったりと、何かと面倒を見てくれます。 スナックでは、酒に慣れていない泉があっという間に潰れてしまい、スナックのママにベッドに運ばれました。 するとスナックのママ・そらは、服を脱いで泉の上に跨ってきて……。



エロスの種子・第35話の考察

見知らぬ土地で唐突に初体験を経験する泉

泉は吃音が理由で学生時代から虐めをうけていました。 完璧主義の父親はそんな泉のことを助けるどころか、軽蔑するようになっていきます。

やがて両親は離婚。母親は生活の為に夜の仕事をするようになりました。 泉は自己肯定感がどんどん下がり引きこもりになり、インターネットの世界に逃げ込みます。

そんな典型的なニートの泉が、見知らぬ土地で唐突に美女から初体験を奪われるのです。 泉は現在23歳ではありますが、高校生の頃から時間が止まっているようなものなので、行ってしまえば高校生がスナックの美人ママと行為をするようなものです。

なかなかに刺激的な展開でした。



エロスの種子・第35話の感想

泉が倒れた母親を放置して家を飛び出してしまった理由は何でしょうか。普通なら自分の母親がと倒れて泡を吹いていたら助けようとするものですが、泉はそうすることができませんでした。

おそらく泉の心は正常な判断が行えないほどに弱っていたのでしょう。母親の死を連想させる目の前の後継から、直感的に逃げ出したくなってしまったのかもしれません。

一方で、泉の事情を全く知らないのに、彼のことを温かく受け入れてくれる稚内の人々に胸が打たれました。特に漁師の剛さんは、泉が人生に悩んでいることを察して、仕事を手伝わせて給料まで支払ってくれます。

寡黙で厳しそうな海の男である剛さんでしたが、このままここで生活していいぞ、と温かい言葉を泉にかけているようにも見えました。



エロスの種子・第34話のあらすじ(ネタバレあり)

恋愛感情のない夫婦

恋愛感情が持てないアロマンティックでありながら、隼人と夕貴の間には子供が産まれ、2人は事実婚という関係になりました。もちろん、隼人は夕貴の子供を認知しています。

2人は生活が落ち着いた頃、ささやかな結婚式を挙げます。2人を祝福する人々の中には、ちあき先生の姿もありました。

家族として人生を共にしていく決意をした隼人と夕貴でしたが、2人は別姓のままそれぞれ活動していくという話にまとまっていました。

セフレ関係から始まり、一度は別れた隼人と夕貴。今も2人の間には恋愛感情はなく、あるのは家族愛だけです。それでも周りの人々から見れば、彼らはごくごく普通のとても幸せそうな家族に見えるのでした。

エロスの種子・第34話の考察

隼人と夕貴の馴れ初め

隼人と夕貴は、互いに“アロマンティック”といって、恋愛感情は持てないけれど性欲は湧くという特異な体質をしていました。

もともとセフレ関係の2人でしたが、互いの為にならないと一度関係を終了させます。ちなみにキッカケとなったのは、隼人が当時アシスタントをしていた大人向け漫画家のちあき先生に恋をしてしまったからでした。

夕貴が隼人を突き放す形で終わった2人の関係でしたが、実はその時すでに夕貴は隼人の子を身ごもっており、隼人に内緒で娘の美羽を産みます。その後は4年間シングルマザーとして子育てをしていたのでした。

そんな事情をしった隼人は夕貴に告白し、結婚と至ったわけです。



真の強い女性・夕貴族

夫婦別姓の道を選んだ隼人と夕貴。

夕貴は、政府が夫婦や結婚の在り方に多様性を持たせると口では言っておきながら、制度そのものが全く変わっていない現状に不満を抱いているようでした。

夫婦別姓の話題を取り上げるあたり、かなりタイムリーなネタを盛り込んでいるなぁと感じます。「多様性のある夫婦・家族の形」という話題は、今なら多くの人が興味を抱く内容でもありますよね。

エロスの種子・第34話の感想

恋愛感情が持てないアロマンティック同士が、普通の家族として生活していく、なんとも不思議なお話です!しかし、隼人たちは、2人とも恋愛感情を持てない体質であるという事以外は、本当にごくごく普通の幸せそうな家族にしか見えないんですよね。

よく、結婚すると恋愛感情がなくなって家族愛になるとか言いますが……もしかしたら隼人たちのように家族としての絆だけで成り立っている家庭って意外にも多いのかもしれません。

話の区切りがいいので隼人と夕貴にまつわるストーリーはこれで終わりかな~とも思ったのですが、今話から話数タイトルが「バタフライ」になっているので、どうなるか分かりません。本作はだいたい3話で1つのストーリーというスタイルが多いため、もしかしたら彼らに関するストーリーはまだまだ続くのかも。

タイトルが「バタフライ」になっているのと、隼人と夕貴の娘の名前が「美羽」であることは、何かしら関係があるのかな~と思ったりしました。



エロスの種子・第33話のあらすじ(ネタバレあり)

ドライすぎるのに美しい愛

シングルマザーの夕貴には、忘れられない男がいました。

それは彼氏でもなければ元夫でもない、身体の関係だけの友達・久米隼人という名の若者です。

当時、夕貴と隼人は恋愛感情が持てない、いわゆるアロマンティック同士だということで意気投合し、付き合いを続けていました。

しかし隼人が実は男性に片思いをしていたということで、夕貴は自分が隼人の悪影響になりかねないと判断し、一方的に別れを告げ、それ以来一切の連絡を絶っていました。

しかし、そんな夕貴と隼人が再会する運びとなります。きっかけは、隼人が当時アシスタントをしていた、漫画家のちあきと後輩アシスタントの上澤まことの結婚式です。

隼人は2人の結婚式を、ブライダルプランナーである夕貴に任せようと考えたのでした。

久々に再会した隼人と夕貴。勇気は隼人の知らない間にシングルマザーになっていました。しかし夕貴の娘はどことなく隼人に似ており、指をしゃぶる癖まで一緒なようです。

隼人はその子供はもしかしたら自分の子供なのかもしれないと考えるのですが……夕貴の対応はかなり素っ気なくて……。

エロスの種子・第33話の考察

久米隼人の過去

隼人は29話と31話で出てきた、漫画家ちあきのアシスタントです!2人が出会ったのは、コミックマーケットでした。デジタルの萌え絵師である隼人の画力に魅了され、ちあきのほうからスカウトしたのが始まりです。

当時、他人に対して恋愛感情を持てないと悩んでいた隼人でしたが、ちあきの仕事場に女性のアシスタントが現れたことにより状況が一変します。

次第に女性アシスタントに対して嫉妬心を覚えるようになる隼人は、長年自分の中で燻ぶり続けていたちあきへの想いが恋愛感情であったことに気が付くのです。

しかしその時すでにちあきは女性アシスタントに恋心を抱いており、女性アシスタントもまたもともとちあきの大ファンでこの仕事場を志願しており、2人はすでに相思相愛の仲でした。

隼人は潔く身を引き、ちあきの仕事場を去り、独立してイラストレーターとして活動していたのでした。


忘れられない女性

そんな隼人がようやく仕事が起動に乗り出した時に、ふと会いたくなった女性こそが夕貴でした。

しかも夕貴はシングルマザーになっており、その子供は自分の子かもしれないということもあって、隼人は驚きます。

結果的に隼人は夕貴にプロポーズ。2人は恋愛感情はないけれど、互いを必要とし合う奇妙な関係を築いて未来を共にします。

恋愛とも違う、普通の家族愛とも違う、奇妙だけど美しい愛のカタチがそこにはありました。

エロスの種子・第33話の感想

今話も、不思議な気持ちにさせられるストーリーでした。何がいいのか?と聞かれると特殊過ぎて一言で表せられないのですが、「決して羨ましくはないけど、間違いなくいい話」といった感じです。

毎回毎回不思議な気持ちにさせられたり、モンモンとした気持ちにさせられる本作ですが、短編にもかかわらず読み応えは抜群なんですよね!

エロスの種子・第32話のあらすじ(ネタバレあり)

戦時中の夫婦を描く不器用な純愛

時は世界大戦の真っただ中。長引く戦争に若い男が次々と駆り出されてゆき、国は「産めよ増やせよ」と女たちに呼びかけていた時代です。

そんな戦時下だというのに、厚郎(あつろう)は兵役を免れ続けていました。その理由は、彼に肺結核の病歴があったためです。厚郎は人里から離れた山の中に小屋を持ち、そこで細々と焼き物を作りながら生活していました。

そんな彼に、なんと縁談が舞い込んできます。やってきたのはまだ子供のサトという少女でした。どうやら彼女は、口減らしのために厚郎の元に嫁に出されたようです。

ぎこちないながらも夫婦生活を始める2人。夫婦というよりは親子にも見えてしまいそうな歳の差がある2人でしたが、サトは次第に厚郎に心を開いていきます。

しかしまだ子供なゆえに、夜の営みだけはどうしても身体が受け入れることができませんでした。それでも2人は素朴で幸せな夫婦生活を営んでいきます。

しかしそんな最中、ついに厚郎にも兵役を知らせる赤紙が届いてしまい……。

エロスの種子・第32話の考察

厚郎という男の甲斐性の無さ

見た目もパットせず、ガリガリでお世辞にも健康的とは言えない厚郎。彼は山奥で焼き物を作りながらひっそりと暮らしていました。

街に降りては頼まれたものを焼いて食料品などと交換して生きてきた厚郎ですが、そんな彼には時折「釦(ボタン)」の注文が入ります。当時は学生服などのボタンの金属すら、溶かして鉄砲の玉に使うために国に取り上げられていた時代だったのです。

学生の服から作った僅かな金属で、いったい何発の弾がつくれるというのか……そんなやるせない想いを抱きながらも、肺結核の病歴の為に国に貢献することもできず、細々と焼き物を焼くことしかできない自分を、厚郎は心のどこかで卑下していました。

そんな厚郎にとってサトという存在は、まさに希望の光のような存在だったようです。


夫を兵隊にとられる妻の想い

そもそも、戦時下で健康な男がどんどん死んでいるこの時代でなければ、厚郎のような男が所帯を持つことなどありえない話でした。

最初はお互いに本意ではない結婚だったはず。しかし、厚郎とサトは質素ではありますが夫婦生活に対して幸せを見出していきます。

そんな中の徴兵令は、まさに天から地へ落ちるほどの出来事でした。厚郎はサトが未亡人になることを心配します。

そんな中、サトは厚郎の子供が欲しいと申し出てくるのです。初夜で失敗して以来、行為そのものを遠ざけてきた2人。そんな2人が「これが最後」と言わんばかりに愛し合う姿は、まさに唾を飲むほどに妖艶で美しい姿でした。

エロスの種子・第32話の感想

戦争に行く=死にに行くという考えがデフォルトで根付いてしまっている時代なのがよくわかり、切なくなりました。

今回はエロス要素はかなり薄目でしたが、いつもの展開のような女性のどこか毒々しい色気が全くなく、「サトという少女の純朴さ」をストレートに楽しむことができ、なんだか初々しい気分になりました。

エロスの種子・第31話のあらすじ(ネタバレあり)

夕貴(ゆうき)は、恋愛感情が理解できない女性でした。 男と体を重ねること自体は好きでしたが、彼女にとってそれは気持ちのいいエクササイズ程度の行為だったのです。

そんな彼女はある日、隼人(はやと)という男性に出会います。
彼もまた夕貴と同じように、行為は好きだけど恋愛ができないタイプの人間でした。

2人はあっという間に意気投合します。
さらに、友達として体を重ねる行為に没頭していくようになりました。

次第に2人は、行為以外にも行動を共にするようになっていきます。
エンタメを見たり、ショッピングをしたり、食事に行ったり、飲みにいったり。

傍から見たら2人は完全に仲睦まじい恋人同士。
しかし実態は違います。あくまでも夕貴と隼人は気心知れた友人同士です。

そんな関係が3年近く続いたある日。
隼人から夜桜を見に行かないかと誘いをうける夕貴。
そこは美しい夜桜が見える絶景のポイントでしたが、穴場なのか周りはそれほど人通りもなく、最高の場所でした。

夕貴は、まるで隼人が書くイラストのように綺麗な景色だとしんみり感想を口にします。 頬を赤らめて喜ぶ隼人。

夜桜がハラハラと落ちる道を歩いていると、突然隼人はイラストレーターで一本立ちをしようと考えていると打ち明けてきました。

今努めているちあき先生という漫画家の元を去って、独り立ちすることを決意していた隼人。

聞けばその決断をした大きな理由は、自分がちあき先生のことが大好きすぎることに気が付いてしまったからなのだと言います。

実は、夕貴は恋愛に不器用で純朴すぎるちあき先生に恋をしてしまっていたのです。
しかし彼の幸せの為に、新しいアシスタントの女性と彼の仲を取り持ってしまった……。

隼人はちあき先生の幸せを喜ぶと共に、嫉妬でモヤモヤするようになり、次第に仕事場にいるのが辛くなってしまったのだそう。

夕貴は、そんな隼人の背中を押してやることにしました。
隼人はちゃんと恋愛ができる人間だったんだから、自分なんかと一緒にいてはいけない。

夕貴はそう隼人に別れを告げ、去っていきます。

直後、夕貴の頬を涙が伝いました。
彼女はようやく自分が隼人に恋をしていたことに気が付きます。

夕貴は隼人の幸せを願いながら、一人で新しい道へと歩みだすのでした。

エロスの種子・第31話の感想

この隼人くんは第29話で主人公の漫画家のアシスタントをしていた男性ですね! あの時はイケメンで優秀なのになぜ彼女いないのか主人公に不思議がられていましたが、その理由が今話で明らかとなりました。別のストーリーと繋がりがあるのって何だかワクワクしますよね~前の話をつい読み返したくなります。

エロスの種子・第29話のネタバレ

幼少期から不細工だの気持ち悪いだの、同級生から嫌われて育ったとある男性。
家族からも阻害され、学校ではイジメを受け続けました。

そうしていつしか、まともに自分の姿を見ることすらできなくなります。

そんな主人公は、次第に絵の世界に逃げ込むようになりました。
絵を書くうちにマンガが書けるようになり、ますます2次元の世界に没頭するようになる主人公。

絵の中では、自分は自由です。
イケメンでモテるし、理想の女の子と恋をすることも体を重ねることもできます。

同人誌で注目されるようになった主人公は出版社からスカウトを受けて、とんとん拍子で人気エロマンガ家「ちあき」になりました。

漫画の中では、キラキラとした男女の関係を描くちあき。
しかし現実では、女子と手を繋いだこともなく、家に引きこもって黙々と漫画を書くだけの生活を送っていました。

そんな彼が唯一会話する相手は、アシスタントの久米隼人です。
彼はちあきと違って若くてイケメンでした。

出会ったのはコミックマーケット。
デジタルの萌え絵師である隼人の画力に魅了され、ちあきのほうからスカウトしたのが始まりです。

彼がアシスタントとして家にくるようになってから、ちあきの漫画にはデジタルならではの繊細な表現が加わり人気に拍車をかけていきます。

次第に人員が足りなくなり、編集部から新しい臨時のアシスタントが派遣されました。

彼女の名前は上澤まこと。なんと男性向けエロ漫画の作業現場に、女性のアシスタントが来てしまったのです。

慌てたちあきは急いで編集部に電話をかけますが、言いくるめられる形でまことをアシスタントとして向か入れることになってしまいます。

女性慣れしていないちあきは、仕事現場に女性がいるというだけで気疲れしてしまいました。

しかし、まことの背景を書く画力はたいしたものです。
即戦力で適応力もあるまことは、正直言うと人手不足問題を解決するにはピッタリの人材でした。

しかもまことはちあきと一緒で、デジタルが苦手なアナログ人間。
まことが真剣にペンを走らせる音は、ちあきの耳には心地よい音として聞こえてきます。

ちあきは次第に、仕事をするまことの姿を目で負うようになっていきました。

ある日、まことは自分の背景とちあきの絵がどう組み合わさっているのか見てみたいと、完成した原稿を見せてほしいと頼んできます。

原稿をみたまことは感動してしまいました。
あのちあき先生の絵と私の背景が一緒になっている……そう話すまこと。 実は、まことは最初からちあきの漫画の大ファンだったのです。

ちあきとまことは、次第に惹かれ合っていきます。
互いは自分のことを気持ちの悪いオタクだと思い込んでいましたが、お互いを見る目はそうではありませんでした。

ある日、ちあきはカフェで本心をまことに伝えます。
するとまことからも、両想いであることを告げられるちあき……。

ちあきは、この場で自分の似顔絵を書いてほしいとまことにお願いしました。
しばらくして出来上がった似顔絵には、決して気持ちの悪いオタクなんかではなく団子っ鼻でパッとしない顔ではあるものの、どこか素朴な優しさの滲み出る男が書かれていたのです。

ちあきはそれを見て、彼女の目には自分がまともな人間に映っていたのだということを実感し、思わず涙してしまうのでした。

その後、2人は恋人同士になります。
ちあきは自身の漫画で書いているように、ベッドの中でも丁寧にまことのことを愛してやるのでした。

エロスの種子・第29話の感想

印象的だったのは、まことがちあきの似顔絵を描いたシーンです。 それまでちあきは「過去のトラウマから自分の顔をまともに見れなくなっていた」のですが、それを表現するために漫画上でも主人公の顔がずっと黒塗りだったんですよね。 それが、まことが似顔絵を描いた直後にようやく主人公の顔がお目見えするのです。読者的にもハッとするシーンでした。確かに冴えないけれどどこか優しそうなちあきの素顔。

作品の中では「恋愛をすると相手にフィルターがかかって良く見えてしまう」なんて書かれていますが、実は逆なのではないかなと思いました。 「自分自身を見つめる目にフィルターがかかり、ネガティヴになってしまっている」のが2人の真の現象で、相手を見る目は最初からずっと変わらなかったんじゃないかなと思います。

なんにせよ、非常に綺麗なストーリーでした。

エロスの種子・第28話のネタバレ

山奥の小さな倉庫。
中には暴力団と思われる集団と、その中央には手足を拘束された血まみれの男の姿がありました。

男の名前は谷原 三郎(たにはら さぶろう)。
この暴力団・可成組(かなり組)の関係者である、檜山(ひやま)という人物の命を奪った張本人として、今まさに血祭にあげられようとしている所でした。

そしてすぐ側には、この凄惨な現場に似つかわしくない程の一人の美女の姿がありました。

彼女の名前はマキ。 マキは、三郎の娘です。

マキは目の前で父親が灯油をかけられて火あぶりにされそうになっているというのに、眉一つ動かしませんでした。

それもそのはず……三郎マキに対して父親としての責任を果たしたこともなければ、愛情を注いだこともなかったのです。
それどころか家庭内暴力まで……。




可成組長の合図で、組員の岸(きし)が谷原 三郎に火をつけます。 辺りには肉の焼け焦げる匂いが立ち込めてきて、三郎はあっけなく命を落とすのでした…。




マキの過去は、幸せとは程遠いものでした。

学生の頃のマキには想い人がいました。
学生のころからずっと好きだった、正義感の強い淳(じゅん)という男性です。

しかし淳は卒業後に自衛隊に入り、任務先で帰らぬ人となり……。

マキは彼が亡くなった後も、彼の母親である亜矢子(あやこ)と親しくします。
彼女が認知症になって施設に入ることになった時も、手続きをしてあげたのはマキでした。

施設に入る直前、亜矢子はマキに淳が小さい頃に書いた絵日記を見せてくれます。
微笑ましく絵日記をみるマキ。




マキはその後、ソープ嬢に身を落とします。
さらに自ら暴力団に入りたいと言って、可成組の組長に直談判に行ったのです。

しかし可成組長は、組員としてではなく妻としてマキを迎え入れたいと言い出しました。

実はこの時、可成組長はガンに犯されており、余命が幾ばくもなかったのです。
自分が死ぬまでの面倒を、マキに一任したいと話す可成組長。
"自分はガンの手術で男性機能が失われるため、形式上の夫婦をお願いしたいだけだ。"と彼は言います。

可成組長には妻も子供もいません。
つまり可成組長は、自分の代で組を終わらせるつもりだったのです……。

マキは可成組を存続させるために、自分が動こうと決心をするのでした。




二年後―――。

結局、可成組長はガンで亡くなってしまいます。

マキは久しぶりに亜矢子に会いに来ていました。
しかし彼女の認知症はかなり進んでおり……もはやマキのことが誰かもわかっていない様子です。
さらに亜矢子は、想い出の品であったはずの淳の絵日記で折り紙を折ってしまっていました……。

折った箱をマキにプレゼントしてくる亜矢子。 マキは、涙が止まりません……。

その後、マキは組員たちが待つ車へと戻ります。 戻ったマキの表情はすでに極道の女の顔をしているのでした。




エロスの種子・第28話の感想

なかなか複雑なお話でした。 両親に恵まれなかったマキは養護施設で育ちますが、結局馴染めず、そして社会にも馴染めず風俗の世界へ入ったのだそうです。

ただそこでなんでいきなり暴力団に入れてほしいって言い出したのか……そのあたりはちょっと話の流れがわかりませんでしたね。 短編集だから仕方がないですけど。

ただ形だけでも夫婦になり、手術の前夜だけ本当の夫婦になったというマキと可成組長の関係が、なんだか大人過ぎてドキドキしてしまいました…。

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