マザーパラサイト・第40話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想 ｜ゼノン

「ゼノン」に掲載されている「マザーパラサイト」第32話・第33話①話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

あの日から3ヶ月。理想の母親を手に入れたと確信する涼太のそばに新たな人物が現れます。その人とは新たな母親候補、ではなく子供に当たり屋をさせるシングルマザー。金銭的に苦しい生活をする彼女が目をつけたのはなんとリカ。

涼太の気付かぬところから伸びてくる影はーーー⁉

今までも涼太は何人もの母親を渡り歩いてきましたが、それにしても今回のリカはちょっと狂ってますよね。早苗も胸元を涼太に許していましたが、リカはそれ以上です。実の子供でも許さないようなところまで涼太の好きにさせていました。元々親子として歪な関係ですが、ここまで来ると流石に寒気がしてきますね。

涼太との親子写真にリカは満足そうにしていましたが、その雰囲気はカメラマンの方が言う通り、夫婦のように見えました。その光景を見るとやっぱりリカが求めていたのは息子ではなく、自分を必要としてくれる依存先だと実感してしまいますね。依存関係は程度を超えると時間とともに変容していきます。一体2人はどう変わっていくのでしょうか？

一人で子供を育てるのは大変なことですよね。体調を崩したり、機嫌が悪かったり、なかなか自分の時間を取ることも難しいと思います。だからこそ、追い詰められてしまう気持ちもわかりますが、今回登場したシングルマザーの考え方はどうしても理解できません。

なかなか金銭的に辛いのもわかります、子育てが辛くなって追い詰められる気持ちも当然です、そして周りの家族を羨ましく思うのも当たり前だと思います。しかし、だからと言って、窃盗をしたり、誰かを傷つけたりすることが許されるわけではありません。しかも、自分の子供を使って、当たり屋なんてちょっとおかしいですよね。一体彼女がどう、涼太とリカ親子に関わってくるのでしょうか？恐ろしい想像しか出来ないのが怖いところですね。

ようやく早苗編が終わりましたね。波瀾な感じで終わった感じもしますが、次の展開が怖すぎてそれどころじゃありません。新しい登場人物は子供に当たり屋をやらせるギャルシングルマザー。一体、どう話が進んでいくのでしょうか？楽しみですね！

お母さん、ずっと待ってるから

狂気に満ちたリカに襲われてもなお、早苗は自分が涼太の母親だと主張します。しかし、そこに現れた涼太が選んだのはリカ。その嬉しさのあまり、リカは失神してしまい、涼太が担いで帰ることになります。その背中を見守る早苗の目はずっと強いものでーーー⁉

早苗から涼太を取り戻すために襲撃してきたリカの顔は決して正常ではありません。その顔は前に、リカの元へ行ってしまった涼太を奪い返すためにリカの元を襲撃した早苗にそっくりです。つまり、リカが求めているのは涼太ではなく、涼太という自分を必要としてくれる息子。だからこそ、リカは涼太が自分を選んでくれるとわかり、あまりの嬉しさのまま、失神してしまいました。

しかし、選ばれなかった早苗は違います。リカにボロボロにされながらも、どこかすっきりしているように見えました。その上でリカと立ち去る涼太に向けて、いつまでも待ってると伝えて、一人で生きる覚悟を決めたようです。その姿は前よりもずっと母親らしく見えた気がします。

それにしてもリカの異常性はどんどん加速していますね。たしかに早苗も少し前まではリカのように狂気を感じる行動で涼太を取り戻そうとしました。たしかにリカの首を締めたり、家を襲撃したりとまったく正気ではなく、完全に狂っていたと思います。ですが、リカのほうがなんだか狂気じみているように見えるのは気の所為でしょうか？

カバンに忍ばせていた包丁、涼太が自分を選んでくれた嬉しさから失神する。あまりにも感情に上下がありすぎます。もしもこの状態を涼太が望んで作ったものなら、ある程度コントロールできるはずですよね。しかし、さすがにリカが早苗に襲いかかるのは想定外だったのではないでしょうか？これからこの親子、どうなるか楽しみですね！

リカのぶっ飛び具合がやばいですね。これから先を見るのが怖すぎるほどぶっ飛んでいます。ですが、一方、早苗はかなり良い方向に進んでいるように見えました。ただ、一度は狂ったことのある女性ですからね。このまま、とは行かないと思いますが、どうなるでしょうか？

あなたの母親のまま、死ねるなら幸せな気がする。 早苗の首に手を回した涼太はその涙に力が抜けてしまいます。そして、死ぬより孤独のほうが怖いならと涼太はそのまま早苗の部屋を跡にしました。

こうして命を奪われなかった早苗。しかし、その前にリカが立ちはだかってーーー⁉

涼太を挟んで2人の母親を見ると「母親」とはなにかを考えさせられますね。リカや最初のほうの早苗は母親になるためにあらゆることをしてきました。可愛い我が子の涼太が望むことを叶え、少しでも機嫌を損ねないように前もって行動し、涼太の顔色を伺う日々です。もちろん、2人の行動は過剰ですが、ある程度親はこういうことをしますよね。子供の好きなものを買ってあげる、好きなものを作ってあげる。親にとってごく普通の行動です。しかし、それが本当に子供のためなのかと言われると難しいですよね。

そうやって見てみるとリカや当初の早苗の姿は「母親」である自分を保つための行動で、涼太をかわいがっているように見えました。確かに子供の満足した顔や幸せそうな顔に嬉しくなる気持ちはわかります。ですが、あまりにも過剰に干渉したり、ものを与えたりすれば、子供の性格は歪んでしまう可能性も出てきますよね。そう考えると早苗はどうやらそういうところに気付き始めているようです。そのきっかけをくれたのは他でもない涼太とリカでした。

涼太と出会うまで、早苗は一人ぼっちの生活を送ってきました。最近では一人暮らしをしている人も、仕事以外で特に人と関わり合いがないこともそこまでおかしくないことだと思います。そんなよくある生活を送っていた早苗はそれまで平気だった孤独が、涼太と生活することでなによりも怖くなってしまいました。

たしかに孤独は不安ですよね。誰かに認めてもらう、おはよう、ただいまなどの当たり前の挨拶があるというだけで、人は結構安心を感じるものです。どうやら涼太によって、家族の温かみを知ってしまった早苗はもうあの冷たい生活に戻りたくないと願うようになっていました。だからこそ、涼太ともう一度暮らす道を選び、一人になりたくないから涼太に殺される道を選んだようです。たしかに気持ちはわからないでも無いですが、だからと言って、命を投げ出すのは違う気がしてしまいました。

早苗がなんだか歪な安定を迎えていますね。もとからこの作品に安定とか、普通とかいう言葉はまったくないんですけど、その中でも違和感のある安定を早苗に覚えました。この安定は普通になっていくのでしょうか？そして、早苗とリカの取っ組み合いはどうなるのでしょうか？

なんだかこの生活が楽しくなってきている自分がいる。涼太は殺すと決めたはずの早苗との生活を楽しみ始めていました。甘やかしてくれる早苗とこのまま居ても良いかもしれないと思い始めた時、涼太を見つめていたのは狂気の目を向けるリカ。

その目にロープを握った涼太が目にしたのは早苗の用意した遺書でーーー⁉

早苗を殺すまでの間だからと涼太が家を出ていくことを許したリカ。ですが、その我慢ももう限界です。リカの涼太への依存は涼太の想像以上で、前回リカは早苗に接触しています。その際に死を覚悟しているせいか、穏やかな早苗の姿にリカは怒り心頭。今にも早苗を殺しかねないほどの狂気を孕んでいました。

しかし、リカはまだ涼太ほどの殺害衝動はありません。早苗に負けないように育乳したり、早苗のSNSを見ながらイラつきながらもコメントをするようなことしていないので、まだまだって感じですよね。ただ、リカがいるのは細い綱の上です。一歩踏み外したら涼太と同じ沼に落ちかねません。これからが心配ですね。

涼太は早苗を殺すことでさらに上のステージに上がろうとしています。というより、早苗のことがどうにも気になるという感じでした。もしかしたら涼太にとって、早苗は他の母たちとは違う感じなのでしょうか？よく考えたら最初こそ、早苗は他の母たちと同じように涼太に捨てられることを恐れていました。ですが、今回涼太が戻ってからは殺されることを覚悟しているせいか、前のような怯えはありません。というより、なんだか落ち着きさえ感じます。

これは本当に死を覚悟したことによる落ち着きなのでしょうか？それとも早苗が元々持っていた涼太への愛情が見せている姿なのでしょうか？どちらにしろ、早苗は今涼太にとって居心地のいい家を作っています。涼太、もうこのまま早苗と暮らしたほうがいいんじゃない？

早苗がどんどん変わってきましたね。涼太を受け入れる優しい雰囲気はまさに母親そのもの。涼太が求めているのはこういう安心感みたいなものなんじゃないでしょうか？殺すと覚悟してからこんな風になるのはもったいないですね。早くこの空気になってほしかったです。

来週は動物園に行きたいな。

リカの心を激しくえぐりました。親子らしい生活を続ける早苗と涼太。そして、そのぬくもりを感じるような早苗のSNSにリカの怒りは募っていきます。明日殺されるかもしれない、そんな早苗の覚悟を知らないリカはついにーーー!?

執着、依存より強い言葉はないのでしょうか？思わずそう考えてしまうほど、リカの精神状態は異常な方向へ傾いています。たしかに、涼太は理想の子供そのものを演じていましたし、涼太により家族という支えを壊されたリカにとって涼太に依存する以外の道がなかったというのもわかります。ですが、そもそも涼太はリカの子供ではありません。いくら涼太がリカの子供になりたいと言い聞かせたことを考えても、リカは涼太に依存しすぎな気がします。

涼太が天才的にマインドコントロールがうまいのは事実です。それを本能的に出来ているのだから問題なのですが、どうやらリカと涼太は操られる側と操る側で上手く噛み合ってしまったような感じがします。これまで涼太は早苗などの女性を手玉に取ってきました。その中でもリカほど涼太にのめり込んだ人はいなかったかと思います。そのことを考えるとリカと涼太はある意味相性がいいのかもしれませんね。

早苗にとって涼太は嫌悪すべき存在だったはずです。それは当然ですよね。いくら愛すると決めた子供でも、涼太は早苗を自分の支配下におき、殺そうとまでしました。さすがに親とはいえ、そこまで許すことは出来ません。しかし、早苗は再び自分の元を訪れた涼太を受け入れてしまい、しかも殺されることも良しとしている様子です。一体早苗の心境に何があったのでしょうか？

あるとすれば、歪んだ親子愛を受け入れる覚悟が決まったことのような気がします。初めて会ったときから早苗は涼太の母親になろうと努力してきました。しかし、それは自分が涼太の母親になりたかったからで、涼太を愛しているから母親になりたかったわけではありません。そのため、涼太を愛する気持ちがあるなら、涼太の望むようにしてあげようという気持ちが生まれたようです。なんとなく感情はわかりますが、どう考えても間違えてますよね。

歪過ぎる展開が続いていて、もう常人では理解できません。母親を殺したい涼太、息子に殺されたい早苗、息子を取り戻したいリカ。このまま放っておけば、全員の望みが叶うはずなのですが、そうはいかないのがこの3人。続き、どうなるのでしょうね？どっちに転んでも恐ろしい展開になるのは間違いなさそうです。

僕を溺愛する三木早苗を殺したい。

しかし、そのためには早苗の興味を涼太に向ける必要があります。そのために2人が向かったのは遊園地。久しぶりの親子の時間は早苗にかつて必死に母になろうとしたときの感情を思い出させました。母親として最期にできること、それは殺されることだとspan class="bold" style="color: #ff0000">覚悟を決めた早苗はーーー!?

家族の形と同じく、親子の形は人の数だけあります。子供がしっかりしていて、親を支える場合もありますし、親に子供が頼りっきりという例も多くあるでしょう。そこには人それぞれ理由があって、他人が簡単に理解できるものでも、口を挟んでいいものでもありません。しかし、この親子には口を挟みたい。理解できなくても否定したくなるような親子の関係です。

なにをどうすれば、親子らしかった頃のことを思い出して、息子に殺されてあげようと思うのでしょうか？本当に子供が自分を恨んでいるなら会えないところまで離れてあげればいいだけの話です。いくら血の繋がっていない子供でも大事な我が子です。そんな子供に犯罪を犯させてあげようだなんて、歪んだ親子愛過ぎます。この愛にブレーキがかかることを祈りますが、これからどうなるのでしょうか？

さて、気になるのが早苗ではなく、リカですよね。涼太に依存しすぎるあまり、早苗がいなくなればいいと望むリカ。涼太が完全に早苗と縁を切ってくるという言葉を信じて、早苗のもとに送り出しました。しかし、これが終われば涼太が完全に自分のものになるという暗示はなんと一週間と持ちませんでした。正直、リカは涼太レベルにぶっ飛んでいます。

もしも涼太が戻るのが少しでも遅くなれば、凶行に出てしまうかもしれません。それくらいリカの精神は涼太に依存しています。それは涼太自身も理解していて、リカの制御がしづらくなってきていると感じているようでした。その危機感があるなら早く手を引いてほしいのですが、リカの存在は不安因子のまま、残り続けそうです。

少しずつ涼太は早苗殺害に向けての準備を整えています。しかし、まさか早苗のほうから歩み寄ってくるとは思わなかったですね。この異常な親子、これからどうなるのでしょうか？怖すぎて続きを見る手が震えてしまいます！

三木早苗を殺す。　

そう決めた涼太は本格的に行動を起こします。そのために必要なのが一時的に早苗の元に戻ること。それは同時に涼太に依存するリカの元を離れることに繋がります。 涼太に異常な執着を見せるリカ。一時は穏やかに涼太の背を見送りますがーーー!?　

親離れというのはどんな子供にも必要なことですよね。おおよそ思春期、中学生から高校生くらいの年齢にほとんどの子供たちが親離れの準備を始めます。就職したり、進学したりと手段は様々ですし、親とともに住み続ける子供ももちろん多くいると思いますが、この場合の親離れは精神的な面を指していると考えてください。決して、物理的な親離れではありません。

もちろん、親を物理的に世界から消してしまうことは親離れとは言いません。涼太の感情は異常ですが、なにより怖いのは殺人に対してなんの躊躇も罪悪感も覚えていないことですよね。殺してくれてもいい、なんてただの口からでまかせです。それが普通、ならわかるのですが、普通では無い涼太はそのまま受け取ってしまいました。これからこの親子、どうなるのでしょうか？

さて、今回気になったのは涼太の自己理解です。涼太は自分を孤独な人間ではなく、孤高の人間だと言って笑っていました。たしかに孤高な人も孤独な人も、理解者がいなかったり、そばにいてくれる人がいなかったり、一人でなにかをしなければいけないという点では共通していると思います。しかし、涼太の行いは孤高と言えるでしょうか？

孤高とは一般的にその他の人が届かないくらい高いところにいる一人の人、を指す言葉だと思います。しかし、涼太がいる場所は決して高い場所ではありません。確かに早苗やリカを支配下に置いていますが、それくらい出来る人は正直いくらでもいると思います。なので、涼太は孤高というよりは孤独な異常者というほうがしっくり来る気がしますが、この自分を尊大に思っている自己理解。これからの話の展開に影響が出てきそうですね。

相変わらず涼太はぶっ飛んでますね。親を傷つけてやりたいと思う気持ちは誰しも一度や二度持ったことはあると思いますが、普通は実行しません。しかも、涼太は何不自由なく育ててもらったんですから、殺すなんて考えるのもおかしいですよね。もうこの子、どうなっちゃうのでしょうか？不安でなりません。

母親を辞めたい。
あの事件から涼太の母親という立場に固執していた早苗は考えを改めました。欲しくてたまらなかったはずの家族は早苗が望んでいた形ではありません。だから、離れたい。そう望む抜け殻のような早苗なんて、もう興味がないはずなのにどうにも涼太は気になってしまいます。

それは涼太と早苗が親子だったからなのか、それともまた別の理由があるのかーーー？

驚きの展開ですね。まさか早苗が涼太の母親を辞めたいと言い出すとは思いませんでした。いつか結婚して子供が出来るだろうと思っていても、なかなかそうは行かない。結婚を親から急かされるくらいの年齢になると誰もが思う悩みだと思います。そんな悩みの中で涼太に出会った早苗の人生は大きく変わりました。賢く優しくそしてなによりも愛らしい息子の涼太。ですが、その生活は決して理想のものではありません。

表向きは仲の良い理想の親子。ですが、その真実は息子の涼太による監視や強制により作られた歪な関係です。この関係を作ったのはもちろん涼太。ですが、本当に涼太だけがこの関係を作る原因だったのでしょうか？たしかに初めて会った時の涼太は穏やかで賢そうな子供でした。それから次第に本性を見せ始め、早苗は息子の一挙一動に怯えるようになります。もしもこの時、怯える前に叱っていたらなにか違ったのではないでしょうか？家族を、子供を失いたくないという思いや涼太の正論に押し潰されてしまったのかもしれませんが、その勇気があれば違ったような気がしてありません。

涼太は一体何を望んでいるのでしょうか？母親を監視し、脅迫し、強制し、理想の家庭を作り上げようとしていました。ですが、今の涼太からはそれだけが目的のようには見えません。本当に理想の家庭を作りたいなら新たなターゲットである笠井の母親を選んで、早苗なんて捨ててしまえばいいですよね。あの事件から早苗は抜け殻のようになり、もう涼太に興味を示していません。

ですが、それでも涼太は早苗に執着をしています。もしかしたら笠井の母親が自分だけの母親じゃないからというのもあるかもしれません。それなら早苗に執着せずに新しいターゲットを探せばいい気がしませんか？たしかに涼太は恐ろしい存在ですが、その本性はほとんど知られていないのですから、新しい母親なんてすぐに見つかりそうです。それでも、早苗に執着する理由は一体なんなのでしょうか？これは推測でしかありませんが、今まで自分のものだった早苗が手を離れてしまうという事実を受け入れられない、子供のような執着があるような気がします。

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なんだか涼太の狂気の果てにあるものが見えてきそうです。早苗の心がもう自分のところに無いと気付いた涼太は離れることなく、なぜか執着をしています。すでに笠井の母親が自分の言うことを聞くようになっているのに不思議ですよね。もしかして、この執着が晴れた時、涼太の中にある本性が見えてくるのかもしれません。