神様なんか信じない僕らのエデン・下巻のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想

「神様なんか信じない僕らのエデン」第1巻下のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

発情期の出現は人類の進化？

今回は『神様なんか信じない僕らのエデン』の下巻のあらすじと魅力をご紹介します。

第1巻（上）は、主人公の喬 織人（たかい しきと）とそのクラスメイトである西央 凛々斗（にしお りりと）が、謎の発情期に見舞われて、男同士でありながらも訳も分からずお互いの身体を激しく求め合うという内容でした。

2人の身体が次第に交尾に適した体に変化していき、人類が繁殖のために進化し始めている可能性を醸し出したところで終わっていましたね。

第1巻（下）では、その可能性に具体的な根拠が紐づけられていき、ますます発情期発生の原因は人類の進化説が濃厚になっていきます！

進化と退化のバランスをとろうとしている？

なぜこの騒動が進化と仮定したかについてですが、いくつか根拠があります。

まず、織人は肉体の変化に加えて、視覚や運動能力が爆発的に向上したのです。また、西央限定で心の中を読むことができるというテレパス的な能力まで発現しました。

人を超越した存在になりつつある識人。これを進化と言わず、なんと呼ぶのでしょうか。

しかし部分的には人類が原始的な方向へ退化したのではと思わせる点もあります。というのも、調べれば調べるほど、織人の変化は狼のリーダーの特性に似ていたのです。

狼のリーダーならではの我儘さや独占欲が増していき、織人はそんな自分を自己嫌悪していきます。ついには脳内で、本能と理性のせめぎ合いが行われ……。

総合的に見ると、識人達の体の変化は、人類が存続のためにこれまでの歴史の中から、最も繁殖に適した最適解を見出している仮定と考えるのが妥当です。

迷いつつも1つの答えを導き出した2人

結果的に、発情期は一週間弱という限定的なものであることがわかりました。安堵すると共に、繋がる口実を失った織人と西央は、やるせない思いのようです。

識人は、自分の発情期を冷静に分析しています。しかしそれは、自分の性欲を肯定化したいからのように見えました。

一方で西央はそこまで器用なタイプではありません。西央は、自分の欲望を邪なものだと認識しつつも、それを愛で片付けたかったようです。

倫理的な識人と、感情的な西央。相性のいい2人にも、決して分かり合えない部分があるようでした。

それでも2人は、お互いの気持ちを拙いながらにも必死に伝え合い、最後には……。

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「普通とは一体何か？」という、時代に乗っ取った議題がテーマになっているようにも感じました。

どうやら識人と西央は、「自分達が普通側になるまで、それまでは、普通の人間たちに擬態する」選択をとったようです。つまり、世界中で人類の進化や発情期現象が増えていくと予想しているということですね。

果たしてその選択は2人にとって正しいのか、間違っているのか。その結果は、下巻のラストで明らかになっています！気になる方はぜひ漫画をチェックしてください！

第1巻（下）では電子限定のイラストギャラリーも掲載されており、盛りだくさんの内容でした。しかも、コミックシーモア限定で書き下ろしページも収録されており、必見です！

最高の形でフィナーレを迎えたかと思いきや、実は『神様なんか信じない僕らのエデン』は3巻まで発売されています。（2024年8月現在）

続巻では高校3年生になった識人と西央のエピソードが読める模様！これは要チェックです！