彼の香りと私の匂い・第43話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想 ｜love silky

「love silky」に掲載されている「彼の香りと私の匂い」第43話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

心の中にいる良心の存在が行動に与える影響は大きい。 大きく動く状況の中で、香や白川、そしてみどりはそれを実感することになりました。

派遣切りを突きつけられ、打ちひしがれた香が頼ったのは黒木。相談するはずが結局ベッドに潜りこんでしまい、黒木に都合よく使われているのがわかっていても、香は黒木を責めることは出来ません。それは香の中にいるみどりの形をした良心がそれを止めるからです。

そして、会社上層部が汚職により検挙される事態に、思わず昇進のチャンスを手に入れた白川も同じ。昇進したいと思うよりも、白川の中にいる良心のみどりがもっとできることがあると気付かせます。

2人の中にいる良心、みどりの中にいる良心は白川の形をしていてーーー⁉

香はこれまで利用されることに存在意義を見出し、自分の存在意義を満たすためならモラルや常識もそこまで重要視してきませんでした。それは満たされなかった幼少期の経験や何度となく味わってきた喪失感から来る香の性格だと思っていましたよね。 でも、それは違ったようです。

というより、みどりとの出会いによって、今まで香の中になかった良心というものが出来始めたのかもしれません。元から良心はある程度、香の中にあったとは思いますが、それが目に見えて成長したのはみどりの存在がかなり大きいと思います。 憧れの存在でいつもなら手が届くはずもない、みどりにとって香はそういう存在でした。しかし、みどりはなぜか香を気にかけ、なにかと影響を与えています。そのおかげで香は自分を都合よく使う、弱い黒木を罵ることが出来ません。

もしも、離婚したばかりで打ちひしがれている黒木に、自分を利用するなといつもの調子で罵っていたら、きっと香は突き放されていたと思います。派遣の更新をしないと言われ、絶望に落ちかけている香にとって、今縋りつけるのは黒木だけです。どうか、このまま香の中で良心が大きくなって、香が幸せを普通の手段で取りに行けるといいですね。

香ほどぶっ飛んでいないとはいえ、基本的に自分本位で、他人よりも自分の方が圧倒的に大事という考えの白川とみどりの中にある良心にも変化がありました。

仕事にも恋愛にも積極的で、自信を持っていた白川。今までの白川なら上層部が汚職により一掃されそうなこの状況で、間違いなく良いポジションを効率よく取りに行っていたはずです。しかし、今回白川が選んだのは労働環境の整備をするポジション。直前に同僚が亡くなった事とその死が労災には当たらないと断言されたと肩を落とす同僚の妻の姿を見たからもあると思いますが、一番はみどりの存在ですよね。 まだみどりが白川にどんな影響を与えたかはわかりませんが、白川が変わったきっかけはみどりだと思います。人ってやっぱり恋をすると変わるんですね。

みどりもまた大きく変わろうとしています。離婚をして、身軽になったみどりが行ったのはなんと会社上層部の汚職告発。離婚する前のみどりだったらそんなことをしなかったと思いますが、その行動を起こさせたのはみどりの中にいる白川の存在です。一体、みどりにとって白川とはどんな存在かはまだわかりません。しかし、黒木以上にみどりにとって白川は心の支えになっているのは間違いない様子です。 白川とみどりの行動の先に2人が幸せになる未来が待っていることを祈るばかりですね。

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これまで全体的に重い話が続いてきたこの物語ですが、なんだか明るくなってきましたね。少しずつですが、考え方が自分の中から外に広がって来たように見える登場人物たち。彼らがこれからどんな風に成長していくのか、そしてどんな未来を選び、つかみ取るのか。まだまだ物語の行く末から目が離せませんね！