ふつつかな悪女ではございますが ～雛宮蝶鼠とりかえ伝～・第7巻のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想

漫画「ふつつかな悪女ではございますが ～雛宮蝶鼠とりかえ伝～」第7巻のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

莉病が流行った真の“原因”が明らかに

邑（むら）で莉病が大流行します！莉病というだけあって、患者たちは嘔吐と下痢が止まらず、看護の現場は悲惨な状態です。

現状を打開するためには、郷に救援を求めるしかありません。邑の長である雲嵐（うんらん）は、郷の長に薬草を分けてもらえないか交渉するために、山へ向かいました。邑の未来を一身に背負う雲嵐です。

途中まで順調に交渉を進める雲嵐。しかしその直後、思わぬ悲劇が雲嵐を襲います……。雲嵐は、藍家と繋がった郷の長により、謀られてしまったのです。

同時に、莉病が流行った真の原因が判明します！事件の黒幕がついに明らかになるのです。裏で手引きしていたのは、やはりあの男で……？

慧月と玲琳の名誉を守るため、女の闘い（お茶会）が開幕

一方、朱 慧月（しゅ けいげつ）は夜更けに藍 芳春（らん ほうしゅん）と遭遇。慧月はそこで、芳春の腹黒い本性を垣間見ることになります。どうやら芳春は、慧月の悪評を広めて回っているようなのです。

芳春は、目の前にいる玲琳の中身が慧月である事も知らずに、慧月が性に奔放な女性だと風潮しています。それを知った慧月は、予定通りお茶会を開いて、真正面から自分と玲琳に向けられた悪意と戦う決意を固めました。

そして後日、女たちの因縁渦巻くお茶会が開幕！お茶会に参加する雛女たちは、軍人のように盾や剣を持っているわけではありませんが、実際の雰囲気はまさに開戦といった感じでした。

彼女たちは話術のみで相手を制圧する必要があります。いわばこれは、知恵比べ。女たちの戦いを制したのは、やはり“あの女性”でした。

邑を救うために無理をし過ぎた玲琳が精神崩壊寸前！

玲琳の働きによって、痢病に侵された邑はしだいに事態が収束しつつありました。

しかし、玲琳は自分の頼みのせいで雲嵐が命の危機に晒されたことに大きなショックを受け、精神的に大きなダメージを負います。

おそらく、現在の玲琳は、感情の昂ぶりが激しい朱家の身体に入っているためか、普段よりも一際「怒り」や「不安」といった負の感情に敏感になっていたのでしょう。

そんな今にも精神崩壊寸前の玲琳を救いに行ったのは、意外すぎる人物です！おそらく読者の誰も、この展開は予想できなかったことでしょう。いつもは腰の重いあの人が、疾風のごとく玲琳の救助にはせ参じます！

肉体的にも精神的にも限界突破してしまった玲琳でしたが……果たして救いの手は間に合うのでしょうか……？

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そもそも郷の長が悪事に手を染めたのは、冷害によって自分の富が脅かされたせいでした。生命の危機に瀕した人間が道徳的な判断ができなくなるのはまだ理解できますが、郷の長の場合は、すでに有り余るほどの富を有しているのにもかかわらず、さらに欲が出たといった感じです。

自らの罪を隠し通すために、また罪を重ねる……そんな悪循環に陥った郷の長は、雲嵐などの若い世代からすれば、まさに老害と言えます。

そもそも郷と邑を支配層と奴隷層のように差別化したのも、全ては郷の民が一揆戦いが、一番見ごたえがありました。芳春の清々しいまでの悪女っぷりは、逆に気持ちが良かったです。

藍家はもともと五家の中でも参謀タイプの人間が多い家柄ですが、芳春も林熙も、まさにその血を一身に受け継いでるといった感じの策士っぷりでした。