違国日記・第49話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想 ｜FEEL YOUNG

「FEEL YOUNG」に掲載されている「違国日記」第49話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

高校3年生を目の前に朝が感じている漠然とした不安は“何もない”こと。親を亡くし、叔母と生活するなんて特殊な環境にいるのに、朝は空っぽな自分が怖くてたまりませんでした。そして、そのことを忘れたいと望んで、いつになったらこの恐怖が消えるのかと震えています。

しかし、“何もない”のは確かに寂しいことですが、それが自由でもあると気付いてーーー⁉

朝の母、実里とその妹で朝と同居している槙生。2人は分かり合えないまま、実里が亡くなったことで関係は終わってしまっています。分かり合えないまま、結局話も出来ずに終わってしまった姉妹。ですが、お互いが嫌い合っているわけではなく、ただすれ違っていただけです。現実主義な姉とどこか夢見がちな妹。考え方も、物の見方も、何もかもが正反対だった2人はどうすれば分かり合えるかわからなかったということだと思います。

もしかしたらその関係は話し合えば、変わったのかもしれません。もしも、実里と槙生の間に朝が入って、女3人で話すことがあれば、変わっていたのかもしれません。

ですが、実里がもういない以上、槙生とのすれ違いは永遠に続きます。槙生は実里のことを気にしていないというような雰囲気を出していますが、朝に実里の面影を見たり、思い出話をしたり、実里のことを完全に忘れたわけではなさそうです。

一生続く姉と分かり合えなかった日々を頭の隅に置き続ける槙生。その姿を見たら、朝も今の悩みが永遠に続くのかなと思ってしまいそうですよね。

現実主義で仕事に邁進していた母。夢を追いかけて、小説家という仕事を手に入れた叔母。将来のことを考えて大学を選ぶ友人や夢を追いかけるために芸大に進もうとする友人。
周りにいる誰もが何かを目標に動いているように見え、自分の特技や長所を理解しているように見えてしまった朝はそれが自分に見えなくて悩んでいます。でも、そんなことないですよね。

夢も目標も誰もが持っているものではありません。それに自分に向いている分野なんてわかる人のほうが少ないんじゃないでしょうか。でも、そのままでいられるはずもないので、みんな何かしら進んだら良さそうな道を選んでいるだけだと思います。ただ、それが周りから見たら迷いがないように見えるだけ。

自分の価値なんて一生誰にもわかりません。だから大人はみんな適当な言葉を並べて、自分や周りを納得させます。そう先生が言っていた言葉を朝が理解できるようになったら、何か変わるのかもしれませんね。

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思春期特有の迷いというか、不安定な感情に飲まれそうになってしまっている朝。なんだか学生時代にそんな感情あったなぁと思ってしまいました。あの頃はなんでも出来るという万能感となにも出来ないという絶望感の間で苦しんでいたような気がします。
大人になったらちっぽけな悩みなんですけどね。あの頃はその悩みに必死でした。