金魚妻・舞踏妻・①～③のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想 ｜ めちゃコミック

「めちゃコミック」に掲載されている「金魚妻・舞踏妻」①〜③のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

今回の主人公は突然バレエに目覚め、輝き始めた友人に憧れる1人の女性。
中年と言える年齢になった彼女は、一般的な主婦でした。子育てのストレスや肥満に悩む彼女にとって、バレエに興じる友人はひどく輝いて見えます。

しかしそんな友人もまた、悩みを抱えていました。
有名女優をネット上で誹謗中傷してしまった過去や、婚約者が決まったセックスフレンドとの関係。そんな悩みから逃れるため、友人は美しく舞っているだけでした。ただ、脱げることのない赤い靴を履き続けるために––––––。

なかなか子育てをしていると、自分のことがおろそかになりがちですよね。 子育てだけではなく、仕事や趣味など、必死にならなければいけないものがあるとついつい見た目から目を逸らしてしまうと思います。

今回の主人公は子育てのストレスに喫煙や飲酒などで脳動脈瘤が出来てしまって、その上ネット上の誹謗中傷について夫が開示請求まで受けてしまって、正直現実から逃げたくなる状況。そんなとき、家を飛び出した主人公にとって、バレエに興じる友人は美しく見えたのかもしれません。

ですが、結局主人公は夫を許し、自由奔放で手がかかる子供たちの待つ家に戻りました。たしかに体形は以前より歪んでしまったとは思いますが、家族のために頑張る主人公もまた輝いていますよね。夢中になれるものがなにかあるだけでも十分輝いていると思います。

今回、主人公が憧れる対象として描かれた大人になってからバレエを始めた友人。たしかにバレエのおかげですらっとしていて、年齢を感じさせない美しさがありました。

しかし、そんな彼女は過去にネットで有名女優を誹謗中傷し、その後女優が自殺してしまったことで怯えて暮らしていた時期があります。その恐怖は今も残っており、少しでも自分を変えて、逃げ続けるために始めたバレエはたしかに彼女を輝かせたと思いますが、なんだかちょっと残酷ですよね。

しかも、バレエを始めてから得た年下のセックスフレンドは自分を好きでいてくれるのに、結局彼と同じくらいの年齢で取引先の社長の娘を婚約者として選びました。たぶんこの友人はこれからもバレエを続けるんだと思います。過去に抱いた恐怖や自分を選んでくれなかったセックスフレンドの存在から逃げ続けるために。まるでバレエの赤い靴みたいですね。残酷ながらも美しい光景です。

実際のマンガを無料で今すぐ読みたい方は電子書籍サイトの無料ポイントを使用するのがおススメ！

優雅に水面を泳ぐ白鳥は水中で必死に足を動かしているという話を思わず思い出してしまいました。主婦の主人公から輝いて見える友人も実は苦労していたんですね。バレエの曲名に合わせて表現されるその苦労は美しくも辛いものでした。一度読んでみると共感することも多い内容だったと思います。