十億のアレ～吉原イチの花魁～・第36話のネタバレと感想｜シーモア

「シーモア」に掲載されている「十億のアレ～吉原イチの花魁～」第36話のネタバレと感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

エドガーから映画のオファーを受けたアザミ。しかし、木南はそれを事前に断っていました。 その理由はアザミは吉原を出ることが出来ないためです。

今回の映画は訓練、撮影などすべてアメリカで行われます。しかしどのような理由であっても、遊女が吉原を出る許可が下りることはありません。もちろん、例外も無し。どんなに吉原のためになることでも不可能です。 しかし楼主は、エドガーが一度断ってもわざわざ来ることまでは予想していました。そしてまだ諦めるつもりはないことも……。

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アザミに会えばなんとかなると思っているエドガーが帰った後、アザミは用意をして宮柳の元に向かいました。わざわざお茶屋から呼ばれて、花魁道中のようにやってきたアザミに宮柳は満足そうです。

"どうして外に出られないんでしょう？"席に着いたアザミの言葉に、ふと宮柳はあることを思い出しました。以前山吹が大河ドラマに出るという話が出たことがあります。外で仕事がしたいとずっと考えていた山吹は、大河ドラマへの出演を熱望していました。しかし吉原も簡単に外に出ることを許しません。

そのため吉原側はとんでもないお金を掛けて、大河ドラマを撮るための仮設スタジオを吉原の中に作ってしまったのです。 "遊女は何があっても外に出さない。いくら金が掛かっても。"と言わんばかりの吉原の行動に山吹でさえ、外に出られませんでした。

"一度正義だと思い込んだものは、それを破ったら終わってしまう。"宮柳の言葉にアザミは息を呑みました。

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次の客は糀谷です。アザミは断ることなく、座敷に上がりました。 アザミが現れるなり、糀谷はアザミに縋りつきます。許してほしい、そう言うばかりでアザミの言葉を聞く素振りはありません。その態度にアザミはようやく山吹の言葉を理解しました。

涙も謝罪もすべてはアザミを操るための道具。

女を道具としか見ておらず、自分の意のままに操ろうとしている糀谷に抱かれながらアザミは涙を流しました。 糀谷が感じている孤独とアザミが感じている孤独には違うものがあることに気が付いてしまったからです。

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吉原は梃子でも遊女を外に出したくないんですね。 山吹が大河ドラマに出れば、間違いなく宣伝になってお客さんが増えるはずです。しかし、それでも出さないのは伝統に固執して、頭が固くなってしまっているからなのでしょうか 吉原の財産で、唯一無二の存在である遊女。その頂点に立とうとするアザミはその孤独に気付いてしまいました。このままアザミが壊れないかが、心配です。

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