金魚妻・人魚妻(10巻)ネタバレと感想

「金魚妻」10巻より人魚妻のネタバレと感想です。 文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

広大な海の上に浮かぶクルーザーには、水着姿の美女たちと下品な笑いを浮かべる男性たちが乗っていました。実はこのクルーザーは、AV撮影のために用意されたもの。新人のイルカは、その船の上に居ました。 父の借金があるイルカは、稼ぐための手段を選ぶことは出来ません。

3ヶ月前、イルカの父の漁船が突然燃えました。新しい船や船員の給料、そのために背負った借金は8億円。返済のためにイルカが選んだのは、AVプロダクションの仕事でした。

イルカは愛らしい中性的な容姿を生かして街中でナンパをした女性を事務所に連れていき、スタッフたちが彼女たちを丸め込んで撮影を行っていました。

突然拉致されたかと思えば、AVの撮影をされて翌週には動画が配信されるような状態に、自殺をした子までいます。それでも働き続けるイルカが見つけたのは、美容院で働く真亜子の姿。思わず声を掛けたイルカは名刺を渡して、その場を去りました。

実はイルカと真亜子は同じ地元の出身でした。真亜子は貧乏な家に生まれ、下には4人の妹たちがいます。学費を売るために戸籍を売り、退学になってから真亜子は地元を出ました。それからも偽装結婚などで金を稼いでいます。

ヘアメイクのために来たという真亜子は、性病を抱える社長の代わりにビデオに出ることになったイルカのヘアセットをしながら笑います。"私の家族はどうなった？イルカ様。"実は学生時代に、真亜子を虐めていたイルカ。彼は、彼女の家族がバラバラになってしまったことを伝えます。

"あぁ、おもしろい。" 自分の家族がひどい状態になっていることを聞いて、真亜子はにやりとひどい笑みを浮かべました。

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無事に用意が終わり、撮影が始まりますが女優の1人が泡を吹いて気絶してしまいました。薬を飲んでいるのに飲酒や喫煙をしてしまったため、体調を崩してしまったようです。そこで監督が目を付けたのは、ヘアメイクなのになぜか水着を着ている真亜子。監督に命じられたイルカは、運が悪いなと思いながら真亜子に声を掛けました。

"飲むか？"と真亜子に水を差しだしたイルカは、真亜子が飲んだことを確認すると突然キスをします。一体なにかと驚いている真亜子は、視界の端に撮影を行うスタッフたちの姿を見つけました。飲んだ水には、イルカが薬を仕込んでいます。

薬のせいで感度が上がっているのか真亜子は喘ぎ声を高らかに上げ、絶頂します。"イルカの父の船に火を付けたの、私。"と絶頂のタイミングで告白をした真亜子。

しかしなんとシャチがぶつかったせいで、クルーザーがひっくり返ってしまいます。海に投げ出された真亜子とイルカは、ぷかぷかと救命胴衣で浮きながら笑いました。 "借金返すまでこき使ってやるからな。"実はヘアメイク希望ではなく、最初からAV女優として参加していた真亜子にイルカはそう言いました。

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歪んだ関係ですね。作中にもありましたが、人魚姫の作者であるシェイクスピアは不幸は群れを成してやってくると語っています。父の船が燃え、莫大な借金を背負ったイルカ。劣悪な環境で育ち、犯罪に手を染めた真亜子。イルカは学生時代真亜子を虐めていたようですが、不思議な縁で2人が繋がりました。 しかし、2人はその不思議なつながりを許容しているように見えます。 恋人でも友人でも家族でもない。ただお互いを求めている。そんな関係のように見えましたが、この関係にはなんと名前をつけたらよいのでしょうか？