シジュウカラ・第46話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想 ｜ JOUR8月号

2022年「JOUR」8月号に掲載されている「シジュウカラ」第46話のあらすじ（ネタバレあり）・考察と感想です。

文字のみのあらすじとなっておりますが、ネタバレ注意です！

「となりのおばさん」の娘の葛藤

千秋の幼馴染である星宙（せいら）は、彼の映画を見に映画館に来ていました。物語の中に自分が登場していることに気付く星宙。

星宙は、千秋の作中にでてくる「となりのおばさん」の娘です。子供の頃千秋に好意を抱いていた星宙は、こともあろうに母親に千秋を奪われてしまった苦い過去があります。

千秋に猛アプローチをする星宙でしたが、結局彼は親くらい年上の忍と交際をスタート。やるせない星宙でしたが、投げやりになって千秋と顔の似た男性と体の関係をもち、子供を設けました。

当然子供の父親には逃げられ、シングルマザーとして子供を育てながら母親と同居する星宙。彼女の唯一の救いは、子供が千秋に似ていたことだけでした。

報われなさすぎる星宙

千秋の作品は、子供時代にアパートの隣の家のおばさんに売春させられていたトラウマを描いたものです。そのとなりのおばさんこそが、星宙のお母さんなんですよね。なんだかとても複雑です。

星宙は結局千秋に想いが届かず、彼によく似た男性との間に子供を設けます。千秋とは全く血のつながりがないその子供を愛でることにより、自身を慰める星宙。なんだかとても歪んでいるようにも思えますが、星宙にはそうする他生き甲斐をみつける手段がなかったのです。

星宙の抱える闇

星宙は子供を愛でてはいますが、本音を言うとほしかったのはこの子ではなく千秋との子供です。

星宙は自分がそんな黒い感情をひた隠しにしながら子育てに奮闘していますが、自分の本音がいつか子供にバレてしまうのではないかと怯えており、また罪悪感を感じているようです。

忍はなぜか千秋の成功を心から喜べない

千秋は作品が映像化して仕事では成功を収めている形になります。しかし一方で忍は、仕事を減らされて思うように稼ぎを得られていません。年上の自分の方が稼げていない事実は、忍にとって大きなプレッシャーになっているようです。

結果、忍は千秋の映画館での試写会を断ってしまいました。千秋は忍の行動に違和感を感じ始めます。この亀裂が今後に大きく響いてこなければいいのですが……。

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今話でスポットが当たったのは、千秋の幼馴染に星宙でしたね。星宙もなかなかに闇の深い人生を送っています。

自分の黒い気持ちがいつか子供にバレてしまうのではないかと怯える星宙の姿には、何だかリアリティを感じてうるっときてしまいました。

誰しも、子供に対して後ろめたいことって何かしらあると思うんですよね。しかし母親としてそれを表に出すわけにもいかず夫に打ち明けるわけにもいかず。

星宙のように笑顔を取り作って「良いママ」を演じている瞬間は、きっと誰にだってあるのではないかと思います。

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